【完】浮気という名を心の片隅に
「花依が聞けないなら、私が聞く!!」

そう言い佐久間くんの所へ走り出そうとした

夏帆を、私は引き止めるように腕を掴んだ。

「どうしてなの!?だって、花依はそんなこ

とされて嬉しいの!?」

「嬉しいわけないよ!!」

強い真っ直ぐなその言葉に、場は一瞬にして

凍りついた。

「でも、私は………。」

今にも泣きそうな顔で、私は声を震わせて言

った。

「佐久間くんから、言ってほしいから…。だ

から、待っていたいの……。」

感情を口にした私は、頬を伝って涙がこぼ

れた。

おもちゃ箱に溜め込んでいた悩みが、一気に

あふれ、グチャグチャな気持ちになった気分

だった。

全てが上手くいかなくなって、それでも頑張

ろうって決めても、その気持ちを押しつぶす

位の悩みがまた出てきて……。

それの、繰り返しで頭がおかしくなりそうだ

った。

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