散りゆく花泥棒と夜明けを待つ花嫁

大好きな人が結婚してしまうならば、僕は少しだけその人の時間を奪おうと決めていた。
十八と二十はどっちが大人の始まり?
夜とお昼の境目はどこ?
曖昧なラインに振り回されたくない。
花言葉なんて僕になんの意味があるの?
花を食べてしまいたい衝動が、僕の恋に落ちる合図だったとしたら。
僕の口の中は花びらで溢れている。
十歳年上の隣のお姉ちゃんが、結婚するらしい。
全ての答えを探るべく、僕は今、お姉ちゃんの時間を奪いに行く。

『散りゆく花泥棒と夜明けを待つ花嫁』
< 1 / 16 >

この作品をシェア

pagetop