白雨の騎士
闇と光の

アネモネ国へ向かう準馬が一週間バタバタと進められた。

その間、先にキトの行方を追ったルカから連絡はなかった。


いよいよ今日、アリス様がアネモネ国へ出立する。


「気をつけてな。」

見送りに来た国王はアリスの肩に手を置いた。


「行って参ります。」

アリスは深い緑のドレスにローブを羽織おり、ソフィアと共に馬車に乗り込んだ。


シドはアリスが乗った馬車の横に馬をつけ、アネモネ国まで護衛する。


馬車の前方にはアートがみんなの先頭となって向かう。

天気は良好。明後日にはアネモネ国に到着予定だった。


「シド、アネモネ国は初めてか?」


隣を走るアンナが聞いた。


「はい、初めてです。どんな国か楽しみです。」


「…まぁ変わった国ではある。アネモネ国には今でも多くの魔法使いがいるんだ。」


魔法使い。シドは今まで会ったことがないが昔はこの国にもいたという。

「…世界中でも魔法使いや呪い師は殆どおらず我が国でもルカのハデス家の者しかいないが、アネモネ国にはまだ数多く存在している。だから、魔法を使った文明が残っているんだ。」
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