白雨の騎士
舞踏会は問題なく終わり、訪れた人々が帰ったのは深夜を過ぎていた。
シドはミラを部屋まで送った。
「…では、失礼いたします。」
頭を下げてミラが部屋に入るのを待っていると、
「…ねぇ、あなた。明日、剣の稽古に付き合ってくれない?」
「えっ、」
シドは驚いて頭を上げた。
「午前中はアリス様とお茶の予定だから、午後から宜しくね。」
「あ、あのっ…」
そう言って手をひらひら振ると部屋に入って行った。
シドはその場に立ち尽くした。
他国の姫と剣の手合わせなど、いいのか…