親友以上彼女未満
「食堂か~。たまにはいいですね。」

なんだか真理恵ちゃん、楽しそう。

「真理恵ちゃんは、お弁当?」

「はい。お母さんが、作ってくれています。」


お母さん、がね。

一人暮らしにとっては、羨ましい。


「あっ、エレベーター来ました。」

真理恵ちゃんは、エレベーターの乗ると、最上階のボタンを押した。

「あれ?お弁当はいいの?」

「いいんです。家に帰ってから、食べればいいんで。」

えっ?そういう事?

夕食は?夕食はどうするの?

と、いらぬ気遣いをする私。


他にも乗ってくる人がおらず、エレベーターはすんなりと、食堂がある最上階へ。

エレベーターを降りると、昼食を済ませた人達と入れ替わりだ。

食堂に入ると、メニューが置いてある。


「いつも何を食べてるんですか?」

ショーケースを食い入るように眺める真理恵ちゃん。

食堂って、余程珍しいのかな。

「私は大抵、A定食だな。」
< 11 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop