無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
ワンピースを着ていたティアナは馬に対して横向きに座り、アレクシスの前にちょこんと座らされていた。
ティアナの前に手綱があるので、それを使い操るアレクシスの逞しい腕に抱き締められているかのような体勢になっていて、ティアナは頬が赤くなる。

そんなティアナをたまに見下ろし、感じるのは暖かい気持ちとユアンに対する優越感。

初めて乗る馬にバランスが取りづらいらしく、アレクシスに寄りかかるようになっているティアナを足場の悪い揺れる道に入ったときにそっと抱き寄せてみるとさらに真っ赤になっていて、離したくないと、瞬間的にそう思った自分に驚いた。

暫く馬を走らせてから王宮に戻ると、ティアナはまだ赤く色づいた頬のまま、ありがとうございました。とはにかみながら微笑む。
ドクン、と心臓が音をたてたときに再びユアンの言葉が頭の中に過る。

ーー本気でいってもいいよね?

上等だ。
簡単にはくれてやらない、俺も本気でいってやろう。

芽生えた闘争心に、アレクシスは人知れず笑みを浮かべたーー
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