無愛想な王子は理想の花嫁に求婚する
数日経ったある日、フライハイト国ユアン王子宛に一通の招待状が届いた。
差出人はシュトルツ国王室。
中身は見なくても大体わかるが見ないわけにもいかなくて、ユアンはゆっくりと封を開けると案の定、招待状が入っていた。
「おや、ついにアレクシス殿下の婚約発表ですか?」
ついに見つけたんですね、お相手。
ユアン殿下も負けてられませんよ?
と補佐のクルトが朗らかに言ってくるがユアンは無表情で招待状を睨みつけていた。
アレクシスとは長い付き合いだ。
ティアナの合意なしにこんなに強引に話を進めるような奴じゃないのはわかっている。
考えられるのは宰相か国王、王妃の圧力……。
「簡単に諦めたら、男が廃るよね」
ティアナの心がアレクシスにあるならきっぱり諦められる。
けれどまだ、草原で話したときはティアナの心は誰のものでもなかったはずだ。
簡単には渡さない。
まだ自分にもチャンスはあるはずだ。
「クルト、この日の公務は全てキャンセルしておいて。
それから、赤い薔薇の用意を……そうだな、一本だけ」
「一本、ですか?」
ユアンの言葉にクルトは首を傾げるも、ユアンはもう一度、一本だよ。と念を押すように言った。
差出人はシュトルツ国王室。
中身は見なくても大体わかるが見ないわけにもいかなくて、ユアンはゆっくりと封を開けると案の定、招待状が入っていた。
「おや、ついにアレクシス殿下の婚約発表ですか?」
ついに見つけたんですね、お相手。
ユアン殿下も負けてられませんよ?
と補佐のクルトが朗らかに言ってくるがユアンは無表情で招待状を睨みつけていた。
アレクシスとは長い付き合いだ。
ティアナの合意なしにこんなに強引に話を進めるような奴じゃないのはわかっている。
考えられるのは宰相か国王、王妃の圧力……。
「簡単に諦めたら、男が廃るよね」
ティアナの心がアレクシスにあるならきっぱり諦められる。
けれどまだ、草原で話したときはティアナの心は誰のものでもなかったはずだ。
簡単には渡さない。
まだ自分にもチャンスはあるはずだ。
「クルト、この日の公務は全てキャンセルしておいて。
それから、赤い薔薇の用意を……そうだな、一本だけ」
「一本、ですか?」
ユアンの言葉にクルトは首を傾げるも、ユアンはもう一度、一本だよ。と念を押すように言った。