雅也の憂鬱な1日
 式場まで送ろうと言ったのだが、式に参加する友人と一緒に行くと言われ断られてしまった。


「久しぶりに会う友人もいるみたいですし、楽しんで来てください」


「はい。夕方には戻りますね。行ってきます」


 そう言うと、彼女は手を振りながら家を出ていった。

「・・・」

 ポツーンと一人残された俺は彼女が出ていった玄関ドアを暫く眺めると、後頭部を掻きながらリビングに戻った。


 朝9時――。彼女のいない休日はだいたいマラソンをしたりジムに行って汗をかいて過ごすことが多いのだが、本来は彼女と一緒に過ごすはずだった日曜だと思うと、何だがやる気が出ない……。


 今日は一人のんびり過ごすか……。


 暫く洗車できなかったから久しぶりに綺麗にしてやろう……今日はいい天気だし。


 そう思うと、近くの洗車場に行き車を隅々まで綺麗に磨きあげた。


「……ふぅ……疲れた」
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