溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
ジワリと焦らされる身体。

だーかーらー!

もう、無理!!

「ちょっと!」

小声で威嚇するも、まったく動じてない様子で。

「なに?欲しい?」

「はぁ?意味わかんないですけど!」

「身体は素直に反応するのになー。」

「変なこと言わないでください」

「ふーん。」

横目で私を流し見てから、ニヤリと笑った。

ボワッと顔から手足から、全部が着火させられたみたい。

そんな顔するなんてズルイ。

東雲さんの言葉や行動に振り回されて、掻き乱されていく。

タバコを吸うときに細める目も、挟む指も、その唇も、いちいち目で追って、気づけばドキドキしてばかり。

これ、よくないよね。

あきらかに赤信号が点滅してる。

一刻も早く青に戻さなきゃ。

これより先は、もう底無し沼だから。


< 120 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop