溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
何故か慶太の笑顔はぎこちなく思えた。

「慶太?」

「ん?どうした?」

「ううん。何でもない。」

そのぎこちない笑顔の理由は聞かなかった。

違うか。

聞くのが怖かったんだ。

慶太のその理由に、私がちゃんと答えられるかなんて分からないから。

いつまでズルイんだ、私。

クリスマスには、きっと全部の答えが鮮明に映し出される。

逃げることも隠れることも、誤魔化しなんて尚更許されない。

慶太と、恋人として過ごす初めてのクリスマス。

かわし続けていた、その先がリアルにのし掛かる。


本能に従うしかないんだ。

あれこれ考えずに、思いのままに、、、。









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