溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
今回請け負った裁判で先生が弁護したのは痴漢の案件で、物的証拠も目撃者もあり、常習犯でもあるため完全に加害者側は勝ち目がなかった。

なのに、その加害者側の家族、というか主に目の前にいる加害者の弟が昼夜問わず、こうして声をあらげてるわけで、、、

本当、勘弁してほしい。

あきらかにクロなのに、地位だか名声だか知らないけど、兄が痴漢で起訴されたことで躍起になってるらしい。

こっちとしてはいい迷惑。

しかも何故か私がいる時に限ってくるんだもん。

「あまりしつこいと、あなたを営業妨害で通報しますよ?いいんですか?」

私の背後から声を張ったのは、同じ助手の新見さん。

選ぶ職種間違えたんじゃないかと思うくらいの強面だ。

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