溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
ルンルンと軽やかな足取りの梶谷さんが微笑ましく思えた。


恋してるってこんな感じだったよなー。

なんて、過去を思い出した。

待ち遠しかった休日のデート

手を繋いで歩くだけでも、周りの視界が輝いてた

懐かしい。

「楢岡さんも、恋しましょ?誰かいないんですか?」

「いない。恋はもう、、、」

「何言ってるんですか。22歳で仕事に生きるとか、どんな人生ですか!もったいないですよ?」

「まだ、、、出会えないから、、、」

「え?なんですか、それ。運命の人的な?」

そんなんじゃない。

運命なんてない。

自分で切り開かなきゃ、運命の出会いもやってこない。

私はきっと怖いだけ。

恋をして、かけがえのない存在になって、そして、また失うのが、ただ怖い。

明日も明後日もずっと一緒だと思ってた。

なのに、大地は突然いなくなった。

必ずしも来るとは限らない明日。

踏み出す勇気もないし、簡単に誰かを好きになることも出来ない。

理性がぶっ飛ぶような人に出会えたら、そしたら、もう一度恋してもいいかな?


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