溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
慶太は呪文のように何度も“大丈夫だよ“となだめるように呟きながら、私の背中をさすってくれた

カランと澄み渡る音を奏でて頑なな心は、ほんの少しだけ隙間が出来た気がした

いつも甘えて、頼ってばかりなのに。

それでも手を取り、共に前進することを選んでくれた慶太

その無限なまでの優しさに、私はいつまでしがみつくんだろう。

きっと、慶太は私を突き放すことはしない。

だから、余計にその優しさが胸のずっとずっと奥に響いて、警鐘は鳴りやまなかった。



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