溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
慶太が店に出るギリギリまで一緒にいた。

ただのんびりと同じ時間を過ごしただけ。

それが楽しかったからか、一人になるとまたあれこれと考えこんでしまう。

ダメな性格だ。

無心になりたいのに。


そう容易く抜け出せるわけもないか

ジクジクと膿んだ傷はなかなか癒えてはくれない。

縛られて閉じ込められて、暗くて深い奥底に私はいつまでいればいいんだろう

前を向いて、一緒に進もうと手を伸ばしてくれた慶太

私はその手を取って、うまく這い上がる事が出来る?


わからない。

うまくいくかもしれない

けど、うまくいかないかもしれない。



それでも最後は笑って、幸せだったと思いたい。


< 92 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop