溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
それまでは顔色一つ変えずに、ただじっと私を射るようにみていた目が"恋人"のワードにピクリと反応した。

「、、、恋人?」

「はい、出来ました。なので、勝負は辞退させていただきます。」

「いつだ?」

「昨日、告白の返事をして付き合うことになりました。」

「そうか。なら、問題ないな」

「は?」

「まだ気持ちが変わる可能性が高い期間だ。俺にとっては何の障害にもならない」

この人は、、、おかしい。

恋人がいると言ったら、それ以上踏み込んでこないでしょ?

なのに、なに?

あくまで自分のペースもスタイルも崩さない。


「自己中ですね。」

「欲しいものは欲しい。そう思って何が悪い」

「開き直りですか。私は選びませんよ、東雲さんのこと。」

「俺はお前が欲しい。時間はまだあるしな。」

「、、、もう、いるくせに、、、」

「ん?なんだ?」

「何でもありません。一つだけ言っておきます。私はまっさらじゃなきゃ嫌です。」

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