溺れろ、乱れろ、そして欲しがれ
1日がこんなに長く重いと感じることは初めてかもしれない。

ようやくその呪縛から解かれて、グーンと思い切り伸びをした。

そして、本題はここからだ。

外で落ち合った私達は、人目のないところがいいという東雲さんの希望で、個室の店へ移動した。


「あの、話って何でしょう」

座るや否や間髪入れずに口を開く

「どこから話そうか、、、」

「そんなにあるんですか?」

「いや、話す順番をな。結論から言おうか」

「はっきり言ってください。ウダウダしてるの嫌ですから。」

「わかった。昨日のクライアント先に、二年前に息子を亡くした人がいてな。俺の姪を助けたせいで、亡くなったんだ。」

「、、、その、、人の名前は?」

「七宮 大地。お前の恋人だった男だ。」

「、、、、な、んで、、、?」

「昨日まで知らなかったんだ。いや、姪を助けた相手が亡くなったことは知ってた。帰国してからだけど。それで、亡くなったのがお前の恋人だというのは昨日初めて知った。帰国してから何度か七宮さんの元を訪ねて、墓参りもしてたんだ。
それが昨日、七宮さんが教えてくれた。そのとき息子には大切な人がいたと。息子がいなくなったあと、その子が気がかりで、元気にしてるかって。探してくれないかと、、、」

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