“I've never been this much in love.”
目を丸くして驚いたかと思うと、抱き着いてきた。



「“Please don't disappear, love”…

どうか消えないで、恋心。だよっ」



「よくもまぁ、そーゆー英文だけは覚えますね…」



「えっ…英語は好きだもんっ!!得意だもんっ!!」



椅子に座っている俺の上に乗っかかり、頬を手で撫でられた。



「…せんせぇ、もう一回、キスして」



「だーめっ!!降りな…さっ…」



この積極的な小娘のペースに飲み込まれ、一度だけと決めていたキスを再び…。



授業中は親の目を盗んでしてるみたいで、心苦しかったから…。



「気が済んだら、降りろ」



「済まないって言ったら?」



「とにかく駄目だっ」



勉強が最優先。



大事な娘の家庭教師で、手を出しただけでも不謹慎な事なのに…



これ以上は駄目っ!!



―――カチャッ。



口論していて、静かに開く戸の音は気付かなかった…。



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