俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「上」

家の外は、少し肌寒い風が吹いている。ドリス国はタンバリー国やラス国に比べて気候は寒い。まあ、ロール国よりはマシだがな…。

「ベル、寒くないか？クリスタルが風邪を引かなければいいのだが…」

ベルは嬉しそうに大きな尻尾を振る。寒さにベルは強い。俺もずっとこの国で育ってきたのだから、寒いのには慣れている。

しかし、クリスタルは違う。クリスタルの住んでいたタンバリー国は暖かい気候だし、あいつは妾の子だったため存在を隠されていたので、ずっと城に閉じ込められていた。そのためか、この国に来てすぐの頃はしょっちゅう風邪を引いていた。

「リーバスさん、おはようございます」

「おはようございます」

近所の人が、ウォーキングをしながら俺に声をかけていった。その表情は楽しそうだ。

クリスタルは、リリー・オクトと友人の名前を借り、王女という身分を隠して、世界平和対策本部という平和について話し合う本部を作った。クリスタルの行動がなければ、今の平和はどこにもない。

戦争が終わり、治安も少しずつよくなっていると思う。

俺はきれいな青空を見つめ、目を細めた。