「Last note」〜特性を持つ者へ3
「遥斗………。」

怒りを込め握りしめた拳を、レナさんが両手で包みこんできて我に返った。

「今、"魔性"の方が発動しちゃってるわよ?
大丈夫…?」

「え!?……あ、悪い烏丸。」

どうやらまた、特性が"暴走"仕掛けたようだ。
烏丸は"魔性"にかかりかけて悔しそうにしていた。

「"Clear"の特性の事、CSSで調べるか。」

難波さんが顎髭を触りながら言ったが、
その時俺の携帯が鳴り、画面を見ると病院にいるだろう誉からだった。

「誉、大丈夫か?」

応答してすぐそう聞いたが、
電波の向こうの誉の声は凄く落ち込んでいるようだ。
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