「Last note」〜特性を持つ者へ3

悲嘆な声が響く中、

落ち着いた調子のまま婦人達に近づいた
その男はメガネを外し、
ベビーカーの中の幼子を見つめた。


「……大丈夫、君はまだ生きれるよ。」

指を幼子の心臓に、ソっと当てた……。

「………ッオギャーッ!!」
「おい、息を吹き返したぞ!?」
「何があった!?奇跡だ!!」

母親が抱き抱えて感涙してるのにも振り向かず、

男は一言だけ、呟いてその場を去った。

「…………"治療、完了。"」


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