「Last note」〜特性を持つ者へ3
「……ったく。おまえは…」

廣瀬が、左手を俺の頬に触れて言った。

「病室に行くなら、"車椅子に乗れ"。」

その瞬間、俺は廣瀬の瞳に釘付けになった。


「………え?廣瀬?」

気づくと俺は、
後ろに移動してきた車椅子に素直に腰掛けていた。

自分の行動にすぐ違和感をもったし、
廣瀬と櫂が目を合わせて微笑み合っている。

「廣瀬の"治療"も、成功だな。」

「そうみたいだな。」

「…廣瀬、左手の"魔性"。復活したのか?」

そう聞くと、廣瀬は複雑そうな笑顔を見せた。

「そうゆうこと。また青山とお揃いだ。
でも俺の話は今は置いといて、あずみさん達の病室に行こう。」
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