狼を甘くするためのレシピ〜*
「あ、そういえば社長とほら、お客さまをお迎えにホテルに行った時、モデルの結婚披露パーティやってましたよね。あの時見ましたね、LaLa」

「ああ、いたな」

「実物も綺麗でしたねーLaLa、そういえば今は青山の『コルヌイエ』っていう宝石店にいるって聞きましたよ。行ってみたらどうですか?」

「ああ、あそこな、俺の友達の店なんだ。仁っているだろ氷室仁。彼がオーナー」

「え? そうなんですか?」

「利用してやってくれ」

「はい了解です。それにしても社長のお友達って結構すごい方ばかりですよね」

「そうか? だとしたら、俺がすごいからだろうなぁ」

「あはは」

 質問は上手くはぐらかされている。

 でもそのことに、この時はまだ月子は気づかなかった。
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