狼を甘くするためのレシピ〜*
「あの日、夜景の素敵なレストランに行った時、私を仁たちに会わせようとしたのは蘭々だと知ってのことだったの?」

「ああそうだよ。お前が行くと言えば、あいつらの名前を言おうと思った」

「知っていて、言わなかったのは何故?」

「お前が隠している限り、そのほうがいいと思った」

「それで? アキがLaLaだと知ったのはいつ?」

「お前がLaLaだと確信したのは、西園寺のポスターを見た時だな。その前にホテルのロビーで見かけて時、気にはなっていた」

「ホテルのロビー?」

 意外な返事に、まじまじと顔を見つめると、径生は肩をすくめる。

「モデルの結婚披露パーティがあっただろう? 体のラインがよくわかる薄い紫ドレスを着ていなかったか? あの時、あれ?って思った」

 蘭々は言葉を失った。

「特にお前のそのヒップライン。最高に俺の好みなんだよな」

 ニヤリと目を細めながら、ケイは体の線を形どるように両手を動かす。

 真っ赤になった蘭々は思わずケイをパシッと叩いた。

「この変態っ!」
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