好きな人とお兄ちゃん
この後カラオケに行くと言うので
門限がある結月はみんなと別れる。
改札を通りベンチに座り電車を待つ。
ーー蒼志くん、今日もかっこよかったなぁー
カラオケも行きたかった…。
しかし門限を破れば
叶月からの電話が鳴り止まないのは
わかりきっていた。
ーーでも同じ駅かー。また会えるかも。
結月は笑みをこぼす。
ふいにポンッと肩を叩かれ
顔を上げる。
『やっぱ家まで、送ります!』
蒼志が息を切らせて立っていた。