大嫌いの裏側で恋をする



「わかりました、じゃあそのままデータも工場に飛ぶんですね?」
「その予定。ただ、まだグループ内だけで試運転中だから」
「じゃあ、いつも通り納期確認は私でやります」

頼む、って短く返ってきた声。
そのまま途切れてしまったから私から声を出す。

「今日も遅いんですか?」
「多分な。今日は客先っつーか南と中央の営業所まわるから何かあるなら電話しろよ、すぐ出れると思う」

その言葉を発した後すぐにカバンを持って。
じゃあ行くわ。って、背中を向けられる。
その背を眺めながら、ぼんやりと思い出す。
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