大嫌いの裏側で恋をする



ふう、と思い溜息を吐いてマウスに触れ社内システムに入る。
そこで鳴り響いた外線。
うちの課の5番が光ってる。

もう一度息を吸って受話器を取った。

「ありがとうございます、ラインズソフトの石川でございま……」

『す』

最後の一音は陽気な声に消された。

『おはよー、石川ちゃん。俺俺』
「今時その詐欺通用しますか」
『相変わらず冷たい声。好きだなぁ』

テンション的に全くノリ良くできないので、とりあえず黙ってみた。

『嘘だよ、ごめん。もうパソコン立ち上げてる?』

わりとすぐに本題に入ってくれたので、私も真面目に応対する。

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