『未成年』なんていらない
『雁、Ⅱ組に彼氏いるのにね。保健室行く時ってⅡ組の前通るじゃん?誤解されてないかな〜!』

今ひなりが一番話したくないことを楽しそうに話すレム。
レムはひなりが閨川に好意を抱いていることを知らないので仕方ないと思いながら、ひなりは適当に相槌を打った。

『…ひなり…なんか元気なくない?てゆーか、3年になってからずっと上の空だよね?大丈夫?』

スマホから聞こえてくる心配そうな声に、ひなりは今度は明るく返事をした。

「あー…大丈夫!ちょっと…進路の事で悩んでるだけだから!みんな一緒だよねそんなの!」

進路…か…
卒業したら…先生に会えなくなっちゃうよね…

ひなりの頭はもう、どんなことを考えても全て閨川に結びつけてしまうようになっていた。
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