『未成年』なんていらない

とある夏の夕暮れ

夏休みの赤点補習授業は、毎回参加しなければならない訳ではない。
極端な話、最低でも1回は参加し、配られた課題を提出すれば良いのだ。

しかし、ひなりはもう初回から4回連続で参加している。

「成瀬、もう課題終わったんだから来なくて良いんだぞ?せっかくの夏休みなのに…二ノ瀬と遊ばないのか?」

今日も今日とて化学の教科書と睨めっこしながら自主学習するひなりを見て、閨川が心配そうに言った。

「だ、大丈夫です。レムはバイトだし…家にいても暇なんで!」

笑顔でそう言うと、ひなりはまたノートにスラスラと文字を書き始めた。
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