陽空〜甘酸っぱい恋の欠片見つけました~
朔に誘われた日を手帳に書きとめようと開く

「あ…そういうことか」

朔の優しさに笑みがこぼれる。先回りして先に言ってくれるのはいつも朔だから…なのに鈍感なとこあるし…て私も人のことは言えないんだけど

「芽衣ー?」

「朔、ありがとね…誘ってくれて」

「当日…あいつらといたいかと思ったけど二人っきりになりたくてさ。」

「その気持ちが嬉しいんだっつーの……ね?」

楽しみにしとけーなんてカッコつけようと言うけどあんまりカッコつかなかったり、そんなとこも朔らしくて嬉しくなる。3年生になる前だからこそ進路で忙しくなるのにこうやって一緒にいようとしてくれるんだもん感謝しなきゃね。

「だから、テストはがんばれよ?」

「勉強、教えて?」

「まったく…自分で勉強方法見つけろよなーほんとわかったから帰ったら勉強するぞ」

朔とさらに距離が縮まった気がした。
寒い冬の中……照らす太陽の暖かさを噛み締めて歩き出す
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