夏のソラの雪
サヨナラ
次の日。




途中まで学校に向けられていた足は、




気がつけば泰希に聞いた、真雪の居る病院に向かっていた。





昨日からずっと考えてた。




真雪のこと。




後悔だらけの出逢い。




一度は受け入れた真雪を、信じきれずに振り解いた。




それでも、




求め合って……繋がり合った。




そして、




「愛与っ」





俺が選んだ結末。





起こしたベッドにもたれ、窓の外を見上げていた真雪が、




入り口に現れた俺に、嬉しそうにはにかんだ。




「熱は?」




個室の真ん中にあるベッドに歩み寄り、真雪の額にそっと触れた。




「愛与が来てくれたから大丈夫っ」




手のひらから伝わる体温は、やっぱり熱い。




何が大丈夫だよ……。




嘘つきだな。





「……なぁ、真雪」




俺の顔を見上げる真雪の笑顔。




「俺……」




それを今、




「おまえの傍には居られない」




自ら消してしまった……。
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