冷徹騎士団長の淑女教育
(よかった。アイヴァン様は、ほとんど傷が治ったようね)
心の内でホッと安堵の息を吐きつつも、クレアは気持ちを表情に出すことはなかった。
淡々として前を見据え、王女としての自分をアイヴァンに見せつける。
彼が求める、完璧な淑女としての自分を全うするために。
受勲者の名前が、順に読み上げられる。
そのたびにクレアは立ち上がり、勲章を授けて、受勲者に労りの言葉をかけた。
「国民のためのあなたの尽力に、感謝します」
一人目の研究者に、星章をさずける。研究者は、「ありがたきお言葉にございます。麗しき王女様」と深々と頭下げた。
続いて文学者への授与も終わり、最後はいよいよアイヴァンの番だ。
「アイヴァン・ジェイク・クロフォード」
執務官が名前を読み上げるなり、脇に控えていたアイヴァンがスッと前に進み出る。
途端に、会場内からはわっと破裂するような歓声が上がった。
王女を取り戻し、命がけで守った勇猛な騎士団長の噂は、あっという間にこの国の人々を魅了したようだ。
歓声の中、一歩一歩確実にこちらへと歩んでくるアイヴァンを、クレアは物怖じすることなく見つめた。
心の内でホッと安堵の息を吐きつつも、クレアは気持ちを表情に出すことはなかった。
淡々として前を見据え、王女としての自分をアイヴァンに見せつける。
彼が求める、完璧な淑女としての自分を全うするために。
受勲者の名前が、順に読み上げられる。
そのたびにクレアは立ち上がり、勲章を授けて、受勲者に労りの言葉をかけた。
「国民のためのあなたの尽力に、感謝します」
一人目の研究者に、星章をさずける。研究者は、「ありがたきお言葉にございます。麗しき王女様」と深々と頭下げた。
続いて文学者への授与も終わり、最後はいよいよアイヴァンの番だ。
「アイヴァン・ジェイク・クロフォード」
執務官が名前を読み上げるなり、脇に控えていたアイヴァンがスッと前に進み出る。
途端に、会場内からはわっと破裂するような歓声が上がった。
王女を取り戻し、命がけで守った勇猛な騎士団長の噂は、あっという間にこの国の人々を魅了したようだ。
歓声の中、一歩一歩確実にこちらへと歩んでくるアイヴァンを、クレアは物怖じすることなく見つめた。