約束~悲しみの先にある景色~
私を夢の中で助けてくれた救世主は、トユンさんだったなんて。
嬉しくて、けれど私が変な事を口走っていないか少し不安で。
未だに、私の手を握ったまま眠り続けているトユンさん。
私は、彼を起こさないように慎重に慎重に彼の手の中から自分の手を引き抜き、ゆっくりと起き上がった。
しかし。
「…だい、じょうぶ…だよ、……」
ずっと私が聞いていた台詞を呟きながら、義兄はゆっくりと目を開けた。
そして、トユンさんを起こしてしまったからベッドの上で分かりやすく固まっている私に気づき。
「んー……おはよ、瀬奈ちゃん」
凝ってしまったらしい首をコキコキと鳴らしながら、笑顔を向けてきた。
「おはようございます」
トユンさんは頷いてそれに応えると、
「よっこらしょ」
立ち上がり、腰や膝をボキボキと鳴らし始めた。
「昨日うなされてたみたいだけど、大丈夫?」
彼に聞かれ、私は、
「あ、はい……。あの、トユンさんの声、聞こえてました。手を握ってくれて、ありがとうございました」
率直に感謝の気持ちを述べた。
「ううん、こちらこそ。……俺、もう少し寝てくるねー」
良かった、と私に向かって親指を立てて見せた彼は、やはり寝不足なのか欠伸をしながら私の部屋を出て行ってしまった。
嬉しくて、けれど私が変な事を口走っていないか少し不安で。
未だに、私の手を握ったまま眠り続けているトユンさん。
私は、彼を起こさないように慎重に慎重に彼の手の中から自分の手を引き抜き、ゆっくりと起き上がった。
しかし。
「…だい、じょうぶ…だよ、……」
ずっと私が聞いていた台詞を呟きながら、義兄はゆっくりと目を開けた。
そして、トユンさんを起こしてしまったからベッドの上で分かりやすく固まっている私に気づき。
「んー……おはよ、瀬奈ちゃん」
凝ってしまったらしい首をコキコキと鳴らしながら、笑顔を向けてきた。
「おはようございます」
トユンさんは頷いてそれに応えると、
「よっこらしょ」
立ち上がり、腰や膝をボキボキと鳴らし始めた。
「昨日うなされてたみたいだけど、大丈夫?」
彼に聞かれ、私は、
「あ、はい……。あの、トユンさんの声、聞こえてました。手を握ってくれて、ありがとうございました」
率直に感謝の気持ちを述べた。
「ううん、こちらこそ。……俺、もう少し寝てくるねー」
良かった、と私に向かって親指を立てて見せた彼は、やはり寝不足なのか欠伸をしながら私の部屋を出て行ってしまった。