約束~悲しみの先にある景色~
まさかこんな素晴らしいアイドルに会えるなんて思えなくて、しかも今となってはpromiseの事が単純に好きになってしまっている私にとって、リーダーに会えるなんて信じられなくて。


輝星なら、絶対に泣いて喚いて気絶すると思う。


トユンさん、と言っている割には、私はリーダーの方を凝視していた。


「あ、もしかして瀬奈ちゃん?初めまして、楽人です。…ちなみに僕の事知って、る?」


それに気づいたのか、彼は私の方を見て握手を求めながら尋ねてきた。


「あ、はい…!楽人、さん……の事、知ってます」


私の緊張具合が余りに酷かったのか、彼と軽く握手をしている後ろではトユンさんが必死で笑いを堪えていて。


「…っ、ひっひっひっ、……と、取り敢えず上行こ上っ…ひっ、…ひひっ……」


というより、既に笑いを漏らしていた。



彼の提案で私達は2階に行き、彼らは何故か私の部屋に入ってきた。


「お邪魔します、…え、何このベッド!?カーブしちゃって!意味分かんないんだけど、えっ?ちょっと寝てみてもいい?」


どうやら楽人さんもトユンさんと同類らしく、私がうんともすんとも言わないうちにベッドに大の字になって寝っ転がった。
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