Open the door -運命の彼は日本代表?-

相澤家の駐車場に車を停める。

昨日と変わらない手順で、助手席のハナエさんが車を降りるお手伝いをしていると、後ろで玄関が開く音が聞こえた。


「ばあちゃん、おかえり」

聞き慣れない若い男性の声がする。

えっ、まさか……

「ただいま。あら、瑛人。家に居たの?」

降車を終えたハナエさんの声が弾んでいる。

ハナエさんの隣に寄り添って振り返ると、そこにはやっぱり『相澤瑛人』だ。

えぇ、この時間帯は居ないって朝から言ってたじゃん。

また、目の前がくらくらしてくる。

「あぁ、今から出かけようかと思ってたとこ」

ハナエさんにぶつくさと答える瑛人さんは今朝着ていた上下黒のジャージ姿ではなく、シンプルな無地のインナーにオフホワイトのシャツに、紺のパンツ姿。

髪の毛だって綺麗にセットされていて、イケメン度合いがさらにアップしていて、キラキラしている。

こんなイケメンが街を歩いていたら、きっと皆が振り返るに決まってる。

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