胎動
ダメだよ。


そんな風に怖がっちゃ。


怖がると、悪魔が力を増すんだよね?


そう言いたいのに、一言も発することができなかった。


山から感じる強い視線に、あたしの体ががんじがらめになっていたのだ。


背中から汗が噴き出して一歩も歩くことができない。


恐怖心が爪の先から髪の毛の一本一本にまで浸透していく気がした。


その時。


「お母ちゃん」


耳元でそう聞こえ、あたしの意識は消えた。




END

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