殺戮合宿〜モンスター〜
☆☆☆

埃にまみれたものを外へ出す作業は一苦労だった。


手に持つだけ、一歩くだけでとにかく埃が立つ。


しかし、小屋の中には左でに小窓が1つあるだけで、全開にしても籠った空気はぬぐえなかった。


「だいたい綺麗になったんじゃないか?」


亮輔が小屋の中を見回していった。


床に積もっていた埃は綺麗に掃除され、今は歩いても埃が舞い上がる事はなかった。


小屋っぽさを演出するためにロープはそのまま置かれていたが、埃は掃除していた。


「奥にこんなのがあったよ」


祐里がそう言って段ボール箱を持って来た。


中を覗いてみると、そこには小型の懐中電灯が10本ほど入っているのがわかった。


「箱も懐中電灯も綺麗なままだね」


あたしはそう言い、懐中電灯を手に取った。


ちゃんと明かりがつく。


見たところ最近のもののようだった。
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