私の中にキミがいる限り
その笑顔に全身の血が沸き立つのを感じた。


どうして?


あたしがなにかした?


怒りと悲しみが押し寄せて来る。


あたしは勢いよく立ち上がると大股で教室の後方へと移動した。


「透、ちょっと話があるの」


目の前に立ってそう言うと透は驚いたように目を見開いた。


あたしがこんな大胆な行動に出るとは思っていなかったのだろう。


今日1日透の行動を観察しようと思っていたけれど、我慢ができなかった。


あたしは透の腕を掴むと強引にその手を引いて教室を出たのだった。
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