私の中にキミがいる限り
「うん……」


あたしもそう思っていたところだった。


だけどうまく頭が回らず、いい返事ができなかった。


『美紗、もう家を出る準備はできてる?』


「え? あ、まだ……」


学校へ行く準備なんてしていなかった。


『じゃあ今からすぐに迎えに行くから準備して待ってて!』


楓はそう言うと、強引に電話を切ってしまった。


あたしはしばらくスマホを見つめたまま動けずにいたが、楓の言葉を思い出しどうにか制服に着替えたのだった。
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