私の中にキミがいる限り
「ミッキーの家ってこの辺なの? 昨日は川辺にいたよね?」


「まぁ、この辺っていえばこの辺だよ」


ミッキーはニコニコと笑顔を絶やさないまま、妙な返事をする。


「そんなことよりさ、ちょっと遊びに行こうよ」


そう言い、ミッキーがあたしの手首を掴んだ。


「遊びに?」


家はもう目の前だ。


今日は課題も出ているし、早く帰って終わらせたい。


そんな気持ちとは裏腹に、あたしの心は少しだけ弾んだ。


サイトを乗っ取られてしまってから、放課後友人たちと遊びに行くこともなくなってしまった。


正直、少し寂しいと感じていた頃だったのだ。


「行こうよ!」


ミッキーがあたしの手を引いて歩き出す。


「ちょっと……」


否定しようとしたが、最後まで言葉が出て来なかった。


心がワクワクしているのを感じている。
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