私の中にキミがいる限り
あたしは驚いて明人君を見た。


明人君は学校とは逆方向へと歩いている。


明人君も早退したんだろうか?


そんな事を思いながら少し早足になり、明人君に追いついた。


「富田さん?」


明人君が驚いた顔をこちらへ向けた。


「明人君も、早退?」


「あ、うん。妹が熱を出したから、診ててやらないといけなくて」


「へぇ、明人君妹さんがいるの?」


「あぁ。まだ小学校4年生なんだけど、うち両親が共働きだからさ」


「そうなんだ。あたしの家も共働きだよ」
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