かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
「……いいのか?」

「……別に、社長になりたいわけじゃないからね。そんな面倒くさい役割、兄貴に任せるよ。俺は隣でのんびり副社長でもしながら、たまには力になってやるから」

プイッとそっぽを向きながら答える沙之くんは、ちょっぴり生意気で素直じゃない。

でも、颯志くんは弟にそう言ってもらえたことがすごく嬉しかったみたいで。

「……ありがとう」

幸せそうに瞳を細める颯志くんを見て、私は安堵する。

……よかった。

ホッと胸を撫で下ろして、和解したふたりを眺める。横で喜美江さんも、やれやれといった感じで腰に手を当てていて。

「……ねぇ、本当に、男って手がかかると思わない?」

そんなことを私の耳元で囁くから、つい笑ってしまった。
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