かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
「早く結婚してもらいたくて、探りを入れさせてもらっていたんだけれど、颯志ったら全然その気がないみたいでフラフラしてばかり。最近はすっかりあきらめて、探偵を雇うことすらやめていたの。そうしたらちょうど、こんなにおめでたい報告が飛び込んできて、すごく安心したわ!」

お母さまは安堵の表情で胸を撫で下ろした。私は、あはは、と苦笑いするしかなくて。

……そっか。颯志くん、結構遊んでたんだ。

そりゃあそうだよね、地位も、ルックスもこれだもん。女性が寄って来ないわけがない。

私と結婚したからって、誘惑の数が減るわけじゃないだろう。

今から浮気される覚悟くらい、しておいた方がいいかもしれない……。

「……母さん、瑠莉を不安にさせること言うの、やめてくれ」

「あら、安心して、瑠莉ちゃん! お母さんもお父さんも、瑠莉ちゃんの味方だからね。颯志が浮気しても、全力で守ってあげるわ」

「母さん!」

「あ、ありがとうございます……」

喜んでいいのやら悪いのやら。
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