Typhoon Of Love
② (叶美サイド)
--*--*--*--*--*--

『何で相談してくれなかったの?』



そうメールが来たのは、あの日の夜。
百合からだった。
学校は3日休んでしまって、そのメールを返す気力もなく、返事は何もしていなかった。



でもやっぱり私は百合に何も話さないでいたことを反省して、そして謝ろうと思って電話した。
関東大会の4日前。


「もしもし…」



【あ、叶美?!大丈夫なの?】



「うん。ごめんね。何にも百合に相談しないで」



【いいのいいの。ビックリしたけどね。大体のことは、矢吹から聞いてる】



「あいつ、もしかして全部話したの?」



【うん!!叶美と吉井くんのキスから矢吹が叶美に告ったとこまで】



「えっ…?」



一真、何考えているんだろう。
自分が告白したことまで、自分の口で言ってしまうなんて。
あいつには得なんてないのに。



【それとね、矢吹、叶美が走って帰ったあと、叶美を指差してヒソヒソ話してる人達に向かって、怒鳴ったんだよ。あいつが怒鳴るのなんて久しぶりだったわあ】



もう…。
私は2人に振り回されてばかりだ。

…でも。

…私はそんな2人を嫌う要素は何もないと感じていた。

< 60 / 107 >

この作品をシェア

pagetop