Beast Love
「なぁ? お前らさ、誰にあの女を好きにしてもいいって言われたんだっけ?」


勝負のついた敗者の身体に跨り、のしかかりながら、マサトは笑みを浮かべていた。


沈黙を保ち、答えようとしない彼らのうちのひとりを足蹴りし、容赦無くブランドのシューズを股間にあてがい、徐々に力を入れていく。


ギリギリッと軋み、男は悲鳴をあげる。

「教えろよ。お前らもさ、まだ女を抱ける体でいたいだろ?」

「痛い痛い痛い!」



狂気染みた笑顔で脅迫するマサトに恐れをなしたのか、彼らは今回の首謀者であるアイツの名を口にした。



「城之内だよ! 柴蔵高校の!」
「頼むから、見逃してくれよ」
「もう勘弁してくれ」


城之内の番号を聞き出したマサトは、半泣き状態の男たちに鬼の形相で「あの女に二度と近づくんじゃねぇ」と忠告し、そのまま逃がしてやった。
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