Beast Love
駅から歩き、バスを乗り継ぐこと数分。


黒と白とオレンジの内装に、木の家具が合わせられた、なんともシックでお洒落なカフェに到着した。


「わぁ、コーヒーの良い香り。ノゾミん、良さげなお店見つけてくれたじゃーん。ありがとねっ」


「でしょでしょ? 私とハルカくんの通ってる高校近いし、良かったら行きつけのお店にしたいなぁと思って」


私の提案に、ハルカくんが深く頷く。

「おー、それ良いね!」



お店の入り口には小さな黒板にメニューの写真が貼り付けられており、チョークで説明書きがされている。


何から何までオシャンティーである。


(自分にもう少し語彙力があれば、このお洒落さを伝えるべくSNSにうまいこと良い感じに書けるのにっ)


そんな悔しさを胸に恐る恐る扉を開くと、黒いエプロンを付けた男の人が入り口に近付いて来た。

「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」



店員さんの容姿を見て、私は固まってしまった。


「あ、あれ? なんで、こんな所にいるんですかっ??」



だって、その人は、私たちの担任の先生にそっくりで……



「う、宇佐美先生ぇ?!!」

< 42 / 548 >

この作品をシェア

pagetop