Beast Love
4人掛けのソファーテーブルに案内され、壁際のソファには私、椅子にはハルカくんといっちゃんが腰かける。


お冷に口を付けると、いっちゃんが意気揚々とメニュー表を手に取り悩み始めた。



「私、お腹空いてるんだよね〜。あー、でも遊園地で色々食べたい気もするしー、どうしようっかな〜」


乙女らしくアレやコレと料理の名前を口にするいっちゃんを見兼ねて、ハルカくんが「えーいっ」っと呼び出しボタンを押してしまった。



「うわ! ハルカくん押したなぁ〜」

恨めしそうにしている いっちゃんに対し、ハルカくんはニコニコと笑顔。

「追い込まれた方が、意外に決めれたりして?とか思って」

ちらっとSっ気を見せた彼に対し、いっちゃんは「そうかも知れない」っと案外素直に頷いていた。


なんだかこのふたり、初対面にも関わらず、良いコンビになりそうだなぁ。


なんて思っていると、ペンと紙を持った先ほどの宇佐美さんが、コチラに歩いて来る。


「ご注文をどうぞ」


結局、私はミルクティー、ハルカくんはカフェオレ、いっちゃんはミックスジュースを頼むことにした。


ペンを走らせ、オーダーを聞いた宇佐美さんが「あ、そうそう」とある事を教えてくれる。


「桜島高校の学生さんは生徒手帳を見せればお店のブレンドコーヒーが半額で飲めるから、次に来店した時は利用してみてね」





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