Liebe
第二十四話「二人の色」


期間限定でリザのお店で働いていたエリー。

リザやテオと共に働く日々はとても楽しかった。
ちなみにリザとテオは、幼馴染だということだった。


そんなお店で初めてもらった報酬。
その報酬で、エリーはウィリアムに日頃の感謝を伝えようと決めていた。
共に出かける約束は、既に取り付けている。

エリーはタイツを履きワンピースを着て、上着を羽織った。
外は寒くなってきたため、首元の防寒も兼ねて髪は上半分だけを結わえる。

一緒に行きたそうな表情をするリヒトは、今日はお留守番。
後ほどクッキーを焼くという約束で手を打ってもらったのだ。

玄関へ向かうと、そこには既にウィリアムの姿があった。
少しは楽しみにしてくれていただろうか。

エリーは笑顔で駆け寄った。

「お待たせしました」

「……ああ」

外に出ると、馴染みの風景が前方に広がった。
街を少し歩くと、改めてエリーはウィリアムに尋ねる。

「ウィリアムさん、どこか行きたいところはありますか? どこへでもお付き合いしますよ」

目をキラキラさせてウィリアムを見つめるエリー。

今日はウィリアムに尽くすための日だ。
なにより、ウィリアムと一緒ならどこへ行っても楽しいとエリーは思っていた。
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