Liebe

「あの、シェルはウィリアムさんたちの幼なじみという方はご存知ですか?」

「へ?」

「フランメに住んでいるらしいのですが」

「え、あ、そ、そうだな……どうだろうな……はは」

明らかに動揺するそぶりを見せるシェル。
そんな態度がなんだか気になり、エリーは更に質問を重ねた。

「どんな方なんですか?」

「え、えっと、そうだな」

先程まで考えることを一切していなかったが、一瞬黙り込んでシェルは考えていた。
顔がほのかに赤くなっている気がする。どうしたのだろう。

「いい奴、かな」

「……それだけですか?」

シェルが何かに耐えるような表情でぽつぽつと喋りだす。
先程までの勢いはどこへ行ってしまったのか。

「んん、と、すげぇ、優しい。あと、すげぇ真面目なんだけど、なんか抜けてて、放っておけなくて、あと普段からすげぇキレーなんだけど、笑うとすげぇ可愛くて、へへ、いつもは全然しゃべんねぇんだけど、たまにドキドキするようなこと言ってくるから、いつもなんか振り回されてばっかりでさ」

「……シェル」

「な、なんだよ」

顔を赤くして眉間にしわを寄せるシェルを見て、エリーが笑った。

「その方のこと、大好きなんですね」

「なっ、ちがっ……な、何言ってんだよ!」

わかりやすく取り乱すのを見てエリーが更に笑う。

「その方のお名前はなんですか?」

「……」

エリーが首を傾げると、シェルは目を逸らして言いづらそうに口を開いた。

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