ピーターパンに恋をして~親友の弟(大学生)と再開しまして~



新郎が入ってくると、何故か笑い声が上がって、新郎側の人達がからかう様に声を出したりしていたのに。




「新婦、入場」


そう牧師さんが口をつ開けば、教会の中が一気に静まりかえる。

オルガンの音が鳴り出したのと同時に後ろの扉が開いて、真っ白なドレスを身に纏うユミの姿が目に入った。

表情はベールに隠されてよく見えない。


おじさんの腕に自分の腕を絡めて、ユミはゆっくりと1歩ずつ足を進める。
途中で、おじさんから離れて新郎の腕を取って歩きして背中を見せた。





"アリカちゃーん!!一緒に遊ぼう!"



なんて私の名前を呼ぶ小さな女の子の姿を、ついこの間の事のように思い出せるのに。

私の目の前には背筋をピンと伸ばして歩く大人になってしまった女の子がいる。



今までユミと一緒に過ごしてきた中で、今日がこの瞬間が1番綺麗だと思った──。


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