弟はドラゴンで



ったくほんと、休日なのに遊びに行くなんてどこに体力あんのよ……。


私には無理……。


休日は家でまったりが一番!


まぁ、龍は学校で人気者だからな〜。


友達も多いし。


休日は遊びに行くのもおかしくはないか。




「私は録画してた番組でも観よっと!」




リビングのソファにダイブし、リモコンを手に取って操作する。


今日はテレビづけの1日になりそう。













午後5時。




「たっだいまー!」




バタン!と玄関のドアが閉まる音で、私はハッと目を覚ました。




ね、寝てた……?


いつの間に……。




「あれ、唯寝てた?」




リビングにひょいと顔を出した龍。




「え、あ、うん。そうみたい。龍は早いね」


「晩メシ前には帰らなきゃな!」


「食べて帰ったりしないんだ」


「母ちゃんのメシの方がいーんだよ!どこのメシよりうめーだろ!」




龍ってほんと……なんていうかこういうとこ愛嬌あるんだよなきっと……。


年頃の男子は反抗期的なのあってもおかしくないのに……。


なんの恥ずかしげも見せずに素直に言葉にしちゃうんだもんなぁ龍は。


これも人間とドラゴンの違いなんだろうか……?


いやいや、もともとの性格?


どっちにしろ、龍はとにかく素直なやつなのだ。


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